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マネジメントメッセージ 2014年 (分割版) | 統合レポート分割版 | KDDI株式会社 kddi ar2014 j06

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全文

(1)

 2010年12月の社長就任以降、最初の年度となる2012年3 月期は、中期的な成長戦略である「3M戦略」を本格的に実行す る前の足場固めとして、まずは基盤事業であるモバイル事業 の立て直しに注力しました。

 当時、MNPにおいて他社への顧客流出が続き、また、データ ARPUの伸びでも他社に後れをとっていた状況の中、全社員

で危機感を共有しながら、目標とする「auモメンタムの完全回 復」に向けて、4つのKPI(解約率・MNP純増数・au純増数・ データARPU)の改善に努めました。

 次に、就任2年目となる2013年3月期は、3M戦略の本格展 開に着手しました。3M戦略を具現化したサービス「auスマート バリュー」「auスマートパス」の拡販に努めるとともに、期初に

マネジメントメッセージ

他社との差別化を図りつつ、

あらゆる分野において期待を超える価値を

提供し続けることにより、

新たな成長ステージを目指します。

KDDI株式会社  代表取締役社長 

田中 孝司

THEME 01

社長就任後 3 年間の振り返り

2016 3 月期に向けた中期経営目標初年度

(2)

J:COM影響

331日に終了した各決算期)

331日に終了した各決算期)

2013年3月期  2014年3月期

* au通信ARPU=[音声ARPU(割引前)]+[データARPU]−[割引適用額]

 持続的な利益成長を実現するためには、安定した売上成長 が必要不可欠です。これを牽引する原動力となるのは、連結営 業収益の7割強を占めるパーソナルセグメントでのモバイル 通信料収入の増加です。モバイル通信料収入を増加させるた めには、ARPUと加入者数の両方を伸ばしていくことが最も望 ましいのですが、20133月期においては、純増モメンタムは 好調に推移していたものの、ARPUが前期比ベースでまだ下 落局面にありました。そこで、20143月期は、ARPU反転を コミットメントとして掲げ、データARPU上昇につながるスマート フォンシフトの促進と、毎月割設定額のコントロールにより、 ARPUは第4四半期において前年同期比反転を実現しました。 スマートフォン浸透率は、20143月期末で49%LTEに限定 すると35%)まで上昇しており、今後も着実に上昇を続け、数 年後には70%を超えると見ています。20153月期は、通期 ベースで前期比+1.2%ARPU上昇を見込んでおり、持続的 な利益成長に向けた基盤が整いました。

THEME 02

持続的な利益成長に向けた基盤を確立

 こうした着実な歩みを経て、2014年3月期の期初に、中期

(2014年3月期∼2016年3月期)的な経営目標として「連結営 業利益の毎期2桁成長」を掲げました。

 我々は、この3年間を「本格的な利益拡大フェーズ」と位置付 けており、初年度の2014年3月期は、営業収益・営業利益・ EBITDAにおいて2桁成長を達成することができました。

au純増数(連結ベース) (万)

累計契約者ベースで前期比+

7.5%

の拡大

au通信 ARPU*(パーソナルベース) (円)

4四半期に前年同期比反転を実現

32000 45000

13 36,623

43,336

14 13

5,127

6,632

14 13

9,596

11,861

14

2012 211

260 281

2013 2014

1Q 2Q 3Q 4Q 通期

4,240

4,110 4,240

4,180 4,220

4,190

4,030 4,120

4,180 4,150

営業収益 営業利益 EBITDA

(億円)

Management Message

前 期 比

+18%

前 期 比

+29%

前 期 比

+24%

(3)

(円) マネジメントメッセージ

 同時に、「3M戦略の推進・深化」を通じたお客さま基盤の 拡大においても、着実に成果をあげることができました。  「auスマートバリュー」については、サービス提供開始から2 年経過し、モバイルにおけるauスマートバリュー浸透率*1は 22%まで上昇しました。auスマートバリューの対象となる固 定通信における提携事業者は現在も拡大を続けており、2014 年3月末時点で、FTTH7社(当社含む)、CATV125社213局

(STNetの提携CATV22社22局を含む)となっています。auス マートバリューならではの強みである相互の顧客基盤を活用 したクロスセルの推進により、今後もさらなる浸透率の上昇を

目指します。

 また、同時期にサービス提供を開始したauスマートパスにつ きましても、2014年3月17日に1,000万会員を突破しました。 auスマートパスは、サービス自体が付加価値ARPU上昇に寄 与するだけでなく、音楽・映像・電子書籍などの使い放題サー ビスへのアップセルにつながるお客さま接点としても重要な 役割を果たしています。auスマートパス会員に限定した場合

付加価値 ARPU の拡大

auスマートパスを核に、各種サービスの利用を促進

au 4G LTEネットワーク

実人口カバー率99%をいち早く達成*4

の付加価値ARPU(2014年3月期第4四半期実績)は720円ま で上昇しており、今後も、auスマートパスを核に、付加価値 ARPUのさらなる拡大を目指していきます。

 一方、ネットワーク面においても、「au 4G LTE」ネットワーク のエリア整備を着実に推進し、ベースとなるプラチナバンド 800MHz帯の提供エリアにおいては、2014年3月14日に実人 口カバー率*2 99%を達成しました。

 我々は、高速でつながりやすいLTEネットワークを実現する ために、800MHz帯をベースバンドとして一気に利用エリアを 拡大することに拘りました。2012年9月のサービス開始から わずか1年半で800MHz帯「au 4G LTE」の実人口カバー率 99%を達成し、LTEのインフラ基盤を構築できたことは、新た な成長ステージを目指す上で非常に大きな成果と考えてい ます。

*1(auスマートバリュー契約数(モバイル))÷(au契約数からデータ専用端末、モジュール を除く)

*2 全国を500m四方に区分したメッシュのうち、当社サービスエリアに該当するメッシュに 含まれる人口の総人口に対する割合

*4 800MHzプラチナバンドにおける実人口カバー率。各社エリアマップを元に当社にて調 べた結果に基づく

*5 対応機種:4G LTE対応のAndroid™、iPhone 5s、iPhone 5c、iPad Air、iPad mini Retinaディスプレイモデル

*6 一部エリアでは受信最大37.5Mbps/送信最大12.5Mbps、またはそれ以下となります。 記載の速度は技術規格上の最大値であり、実使用速度を示すものではありません。お 客さまのご利用環境、回線の状況により大幅に低下する場合があります。(ベストエ フォートサービス)

2014年3月14日

99% 達成

アップセル

全体平均 330

560

720

スマートフォン

ユーザー auスマートパスユーザー

付加価値 ARPU(2014年3月期第4四半期 ) 実人口カバー率

通信速度

au 4G LTE800MHzプラチナバンド*5

au 4G LTE 800MHzプラチナバンド

1,000

万会員突破2014317日)

*3 金額はすべて税抜ベース

受信最大速度

75Mbps

*6

送信最大速度

25Mbps

*6

うたパス

300円/月)*3

372円/月)*3 ビデオパス 見放題プラン

562円/月)*3

ブックパス 読み放題プラン

562円/月)*3

(4)

 2015年3月期以降は、これまでにお話しした成長基盤を ベースとして、新たな成長を目指していきます。

マルチデバイス化の推進と収益拡大

 日本においては、スマートフォン浸透率が約50%*7となり、タ ブレット端末の世帯普及率が20%*7となるなど、「スマートデバ イス」への急速なシフトが進んでおり、多様なサービスを端末 や場所に左右されずご利用頂ける環境が整いつつあります。 これに伴い、お客さまが、1台目のスマートフォンに加え、タブ レット等の複数デバイスを利用するマルチデバイス化の時代 が本格的に到来する転換期に差し掛かっています。

 我々は、こうした背景を踏まえ、お客さまのマルチデバイス 化を推進し、ご利用の全デバイスから創出される「通信料+付 加価値サービス収入」の合計額を拡大することに注力していき ます。

 マルチデバイス化の推進に当たりましては、新たな商材の 拡販を料金プランの強化と合わせて取り組んでいます。  まず、固定ブロードバンド回線よりモバイルWi-Fiルーター に対するニーズが高い単身者向けに、スマートフォンとのセッ ト割引「auスマートバリューmine」として、モバイルWi-Fiルー

ターの販売を強化しています。

 また、今後の普及が見込まれるタブレットにつきましても、 THEME 04

新たな成長ステージを目指す

 2013年4月、日本最大のケーブルテレビ事業者である株式会 社ジュピターテレコム(以下、J:COM)を当社の連結会社とし、 2014年4月には、J:COMと日本第2位のケーブルテレビ事業者で あるジャパンケーブルネット株式会社(以下、JCN)が合併しまし た。これにより、総加入世帯数500万、多チャンネルサービスシェ ア50%超のお客さま基盤を抱える新生J:COMが誕生しました。  圧倒的なシェアを誇る新生J:COMの誕生と、2014年3月に 実施したauスマートバリューの適用条件拡大(ケーブルテレビ サービスにおいて最も加入率が高い多チャンネルサービスも 対象として追加)により、当社とJ:COMとのクロスセルをさらに 強化してまいります。

スマートフォンとのセット割引キャンペーンとして販売を強化 しています。

 いずれも2013年の秋以降スタートしましたが、非常に好調 に推移しており、さらにマルチデバイス上で利用可能な付加価 値サービスのさらなる充実を図り、ID当たりARPUの拡大につ なげていきたいと考えています。

*7 出所:内閣府 平成26年3月実施調査結果:消費動向調査

Management Message

成長のキーファクター

*8 ご利用のデバイス全体の「通信料 + 付加価値サービス収入」合計

本格的なスマートデバイス時代の到来にあたり、 ユーザー 1人当たりのマルチデバイス化が加速

ID × ARPU*

8

の拡大を目指す

ID × ARPU

ARPU ①通信ARPU+②付加価値APRU

ユーザー数=「ID」

(5)

 2014年3月期の設備投資額は、LTEの競争力強化のための 基地局建設をはじめ、新たに連結化したJ:COM分の設備投資 415億円、また、好調なデータセンター事業への投資等によ り、ほぼ計画通りの5,718億円(前期比22.4%増)となりまし た。今後については、引き続き競争力の維持・強化を目的とし た設備投資を行う予定ですが、Wi-Fiを活用したモバイルデー タトラフィックの固定ネットワークへのオフロード施策を通じ、 効率的に実行することにより、2015年3月期も5,800億円を見 込んでいます。

 2014年3月期のフリー・キャッシュ・フローは、EBITDAの増 加をはじめ、スマートフォン販売に伴う割賦債権増加額が前期 比で縮小した影響等により、前期比1,751億円増加し2,260億 円となりました。なお、このうち993億円は、新たに連結化した J:COMの影響によるものです。今後も、引き続き利益成長に 伴う安定的なキャッシュ創出を見込んでいます。

キャッシュ使途について

 キャッシュの使途につきましては、現在の中期経営目標終了

マネジメントメッセージ

au WALLETによる新たな経済圏の創出

 付加価値サービス収入の拡大を図るための施策としては、 スマートフォンの浸透拡大に合わせ、auスマートパス会員の拡 大を推 進し、2014年3月末 時 点で1,025万 会 員まで達し ました。さらに新たな施策として、2014年5月21日より、 新しい電子マネーサービス「au WALLET」を開始しました。  au WALLETは、auの各種ネットワークサービスを利用する ための認証キーである「au ID」に、リアル店舗でも利用可能な 決済機能を追加したものです。

 日本では、コンテンツの決済手段としてキャリアビリング が一般的であり、回収率も99%と非常に高い状況です。 au WALLETは、MasterCard®との提携により世界約3,810万 店舗*1で利用可能であり、また、キャリアビリングの強みを活か してチャージ(入金)の利便性も向上させた仕組みとなってい ますので、早期に市場での浸透率を高め、まずは2017年3月期 における流通規模1兆円を目指しています。au WALLETによ り、リアル経済圏での収益も取り込むとともに、将来的には、

「ネット+リアル経済圏」の創出を通じて、新たなビジネスの発 展にもつなげていきたいと考えています。

ネットワークのさらなる強化

 ネットワークにおける重要な要素として、エリアと速度が挙 げられます。エリアについては、既にお話ししました通り、 800MHz帯「au 4G LTE」において実人口カバー率*2 99%を 達成しました。2.1GHz帯「au 4G LTE」においても、2015年3 月末に90%超まで拡大予定であり、LTEのエリア展開では引 き続き優位性を保っていきます。

  一 方、速 度にお い ては、LTEの 次 世 代 高 速 通 信 規 格

「LTE-Advanced」の技術である「キャリアアグリゲーション*3

THEME 05

キャッシュ・フロー・アロケーションと株主還元

と、関連会社のUQコミュニケーションズ株式会社が提供する 超高速通信サービス「WiMAX 2+*4」の2つの次世代通信ネット ワークをスマートフォンおよびタブレットにダブル搭載する 戦略を開始しました。これにより、お客さまのご利用環境に 応じたネットワークが自動的に選択され、より快適に高速データ 通信をお楽しみ頂けるようになります。我々は、LTEサービス における実行速度No.1を実現したいと考えています。

*1 出典:Nilson Report 2014年3月号

*2 全国を500m四方に区分したメッシュのうち、当社サービスエリアに該当するメッシュに 含まれる人口の総人口に対する割合

*3 キャリアアグリゲーション : 複数の周波数帯で同時にLTEのデータ通信を可能とする技 術。周波数毎に受信したデータを足し合わせることにより、最大で、150Mbpsの通信速 度を実現する。

*4 WiMAX 2+ : TD-LTEと互換性のある受信最大110Mbpsの超高速通信サービス。 2015年3月期末には220Mbpsまで高速化予定。

2つの次世代通信ネットワーク

au基地局

UQ基地局

2.1GH

800MHz

受信最大 150Mbps

受信最大 110Mbps 受信最大

75Mbps 受信最大 75Mbps

同時利用

2つの ネットワークで

ご利用可能*5

*5 回線の混雑状況等に応じ、より混雑が少ないと当社が判断したネットワークに接続

(注)ご利用地域やご利用端末によって最大通信速度が異なります。また、記載している通信 速度は技術規格上の最大値であり、実使用速度を示すものではありません。お客さま のご利用環境、回線の状況などにより低下する場合があります。

(6)

 KDDIには、社員が持つべき共通の考え方、行動規範を示した

「KDDIフィロソフィ」があります。一人ひとりの個性を尊重する のは当然のことですが、志や倫理観の異なる社員ばかりでは、 企業経営はうまくいきません。

 当社は、社会インフラを担う企業として、いかなる状況下で も、安定した通信サービスを提供する社会的使命を背負ってい ます。また、国民共有の貴重な財産である電波をお借りするこ

とで成り立っている事業であり、全社員が心と行動をひとつに しなければその責務は到底果たしうるものではありません。  人々の幸せと社会の発展を願い、人として企業人として世の 中にどんな価値を提供できるかを日々考え、共有し、信頼を強 固にするためのフレームワーク、これが「KDDIフィロソフィ」で あり、そこにCSR経営の原点があると私は考えています。

 2014年3月期は、3年間の中期経営目標の初年度として、 公約である「2桁の営業利益成長」を実現すると同時に、スマー トフォンシフトによるデータARPUの成長もあり、第4四半期に は念願のARPU前年同期比反転を実現しました。これにより、 安定的な利益成長基盤を確立できたと考えています。  我々は、当社を取り巻く環境の変化に迅速に対応しながら、 持続的な成長を実現し、且つ、新たな時代を先導していくため に、成長戦略である「3M戦略」および「グローバル戦略」を推 進し、信頼性の高いネットワーク、付加価値の高い商品・サー ビスの提供を通じ、お客さま満足度の向上を図ることで、企業 価値のさらなる向上に取り組んでまいります。

THEME 06

KDDI フィロソフィ 

企業人としての行動の原点、「 KDDI フィロソフィ」の大切さ

THEME 07

さいごに 

立を前提とした安定配当を中心に、引き続き強化していく予定 です。2014年3月期の一株当たり年間配当金は、前期比40円 の増配となる130円、連結配当性向は32.6%となり、12期連 続の増配となりました。今後も、連結配当性向30%超をコミッ トメントとして、利益成長に伴うEPS成長との相乗効果により、

着実に増配を続けていく方針です。

 また、自己株式の取得につきましても、株価水準やキャッシュ フロー状況等を考慮した上で、選択肢の一つとして検討してま いります。

20163月期

利益成長

連結営業利益 +29%前 期 比

(1株当たり当期純利益)EPS

前 期 比

+26%

株主還元

配当性向 33%

自己株式取得

Management Message

利益成長に伴う 大幅成長

経営の選択肢として検討 毎期成長率

2

配当性向

30

%超

参照

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